8月24日(土)32℃

 5時ごろ起床、5時半ごろ父と散歩に出る。

 赤道を西へしばらく行くと、例のほほえみの人とすれ違う。笑いをこらえているような表情。

 いつも折り返すところで北に向かう。いい感じの平屋がある。蓮田がある。

 F霊園にさしかかったところで、父が霊園内にある古い石碑に興味を示したので、見に行ってみる。昭和14年に戦死したという人の顕彰、あるいは慰霊碑。従四位に叙された軍曹。

 F霊園を出ると、ベイブの犬が南からやってくる。犬前方より来たる有り復た嬉しからずや。コンビニに寄って牛乳2本買う。

 Sちゃんちの前を通ると、柴犬はいつもと違って体を起こす。吠えそうな感じ。

 帰宅すると玄関前にかえる一匹。昨日もいたやつだ。朝ごはんでも食べに出てきたんだろうか。最終的には槙の木の東にある丸い植木の中に入っていった。かえるマンション[かえるが何匹も住んでいる溝]が埋まってしまったから引っ越したのかもしれない。

 朝食後、転がって上野千鶴子『老いる準備』を読んでいる母の腕を揉む。母、ターンテーブルの上の汽車のように、寝たままぐるぐると回転する。

 9時半ごろ、父・母・上の弟と関のうなぎ屋Sへ。長々と並び、10時50分ごろ店に入れる。うなぎ丼、肝焼き、鯉の洗い食べる。やっぱりおいしい。この間スーパーで買ってきて家で調理した肝は臭みもなくおいしいと思っていたけれど、ここの肝焼きを食べると、やっぱりあれには臭みがあったんだなあと思えてくる。うなぎ丼は並のごはん少な目でちょうどよかった。

 昼食後、バンツ(父方祖母の父)の墓参りへ。バンツが双子だったなんて初めて知った。バンツの双子の兄だか弟だがは関でOという薬局を始めた人で、そのOは(今は知らんが)いくつも店舗がある時代もあったらしい。一卵性だったらしくバンツとはよく似ていた上、同じようなべっこうの眼鏡をかけていたそうで、バンツのふりをして父をからかったこともあったらしい(父には見分けがついていたそうだが)。このバンツの双子の兄だか弟だかも、もちろん既に故人である。

 お供えの花を探すのに手間取り、関の街の中を車でうろうろする。うなぎ屋Mの前を通ったとき、離乳食を食べられるようになったぐらいの私に、Mのうなぎを食べさせたことがあった、という話が出る。噛んでほぐしたものを食べさせたわけではないらしい。大人が噛んだものを赤ちゃんに与えるとあの菌が移るからね、と言っていて、あの菌って何だっけ、何でそれを調べたんだっけ、ということが、なかなか思い出せない。

 思い出した。確か8月13日あたり(母から生肉臭がした翌日)、生肉臭のついでにアリス症候群についても調べたのだった。アリス症候群はエプスタイン・バールウイルス(ヘルペスウイルス科の一種)の初期感染によるもので、日本ではほとんどの人がこのウイルスに感染するため、子どものころに一過性の症状を経験したという人は多いらしいのだが、このエプスタイン・バールウイルスは唾液感染、つまり、大人が噛んだものを子供に与えることで感染するらしいのだ。アリス症候群について調べたのは、母が今の私くらいの年齢まで、物が実際より大きく、または小さく見えることがあった、と言っていたから。私は小さい頃はもちろんのこと、今でもときどき、自分の足が小さくなったように(つまり、足が触れているものが大きくなったように)感じることがある。

 こんなことを話しながらバンツの墓へ。花を供え、お参りする。

 21時から映画『ラスト・ミッション』を観る。春休みにもテレビでやっていて、途中までしか観られなかったので、きちんと観直したいと思っていた映画。

 23時半ごろ就寝。